ドラローシュがレディジェーングレイの処刑に隠した怖い仕掛け

怖い絵展で最も話題になっている絵と言えば、
ドラローシュの「レディジェーングレイの処刑」ではないでしょうか?
わずか15歳で女王に祭り上げられ、16歳で処刑されました。
そのあまりに理不尽なレディジェーングレイの処刑の絵にはドラローシュが怖い秘密を仕掛けていたのです。

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レディジェーングレイの処刑とは?

ドラローシュがレディジェーングレイの処刑に隠した秘密

出典元:美の巨人たちHP

ジェーン・グレイというイギリスの元女王が、

裏切り者のレッテルを貼られて処刑されたときの様子を描いている作品です。

このときわずか16歳でした。

傍らでは聖職者がジェーン・グレイに祈りを支えており、

その反対側にはジェーン・グレイの侍女が泣き崩れています。

断頭台の下には飛び散る血をすいとる藁がしかれています。

 

この絵は2017年の神戸・東京で開催された「怖い絵展」でも話題となっています。

なぜなら、この絵には、作者であるドラローシュが怖い秘密の仕掛けを隠しているからです。

その仕掛けについては、このブログの後でご紹介します。

 

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ジェーン・グレイとは?

1537年10月12日頃イギリスに生まれました。

王位を狙う人間に政略結婚をさせられます。

そして、1554年2月12日に処刑されました。

イギリスでは、Nine-Day Queen(九日間の女王)とも呼ばれています。

 

なぜなら、

レディジェーングレイは、宗教紛争や権力闘争というときの荒波に翻弄され、

本人の望みではなく女王に祭り上げられますが、

わずか9日後にその座をおろされ、そして七か月後、反逆者の汚名を着せられ処刑されたからです。

このため人々は彼女をクイーン・ジェーン・グレイではなく、

レディ・ジェーン・グレイと呼ぶようになりました。

 

その悲劇の処刑を

画家のドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」と題して描いたのです。

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の不自然な点

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ところが、その絵には不自然な点が4つあります。

この不自然な点について、

2017年11月4日放送のテレビ東京「美の巨人たち」で解説していました。

 

1つ目:

絵では室内で処刑されているが、実際はタワーグリーンと言われる広場で処刑されました。

この時代の皇族は処刑されるときは、公開処刑だったからです。

では、なぜ室内に描き替えたのか?

それは、緊迫感・不安感といった感情をわき起こすためにあえて室内に描き替えているようです。

たしかに屋外よりも、密室の方がより怖さが増すような気がします。

 

2つ目:

史実では、ジェーン・グレイは、黒い服を着て処刑をされました。

ところが「レディジェーングレイの処刑」では純白のサテンのドレスに身を包み目隠しをされています。

これは望まない王位に立たされ死んでいく少女の潔白を、純白のドレスで表現したのです。

こうして意図的にドラローシュが史実と異なるように描いたのです。

 

3つ目:

版画での処刑人はマスクをしています。

しかし、「レディジェーングレイの処刑」では外しています。

そして憐みの表情で見ている。

これは処刑人すら、同情をしていることを表していることを描いています。

ドラローシュは、それだけこのレディジェーングレイの処刑が悲劇的なものであったことを訴えたかったのだと思います。

 

4つ目:

主人公であるジェーン・グレイが、処刑人より一回り小さく描かれており、

不自然な比率となっています。

その比率は実際は、

6.5:10であるのに、

6:10の比率にしています。

これは、ジェーングレイのかよわさ、そして命を奪うものの圧倒的な強さと、

それに逆らえない少女の弱さを表現しています。

伝えたいことを明確にするため、主人公と言えどもあえて小さく描いたのです。

光の当て方

また従来の絵画はから光をあてていました。

ところが、ドラローシュは正面上からの光をあてました。

聖職者の顔に影を落とし、ジェーングレイの顔を強調し、

演劇の一場面のようにしたのです。

こうして、ドラローシュは舞台照明をこの絵に施したのです。

ジェーングレイの手に隠された秘密

 

さらにジェーングレイの心の動きまでも、

「レディジェーングレイの処刑」に描かれています。

断頭台へと延びる手は光に当たり、もっとも照明があてられています。

ピンと張られた手に、死を覚悟した緊張感を表していて、それを強調するために照明を強く当てているのです。

 

このようにドラローシュは、

仕掛けを施すことで、

この「レディ・ジェーン・グレイの処刑」という絵の怖さを際立てる効果を生もうとしたのです。

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が展示されている怖い絵展の原作である「『怖い絵』で人間を読む(中野京子著)」は、
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ドラローシュのプロフィール

画家名:ポール・ドラローシュ

本名:イッポリト・ド・ラ・ローシュ

生没年月日:1797年7月17日 – 1856年11月4日

出生地:フランス・パリ

まとめ

私は絵画が好きなので、「美の巨人たち」という番組が好きでよく見ています。

今回は現在開催中の「怖い絵展」で話題となっている「レディジェーングレイの処刑」がテーマでした。

この絵にドラローシュが込めた思いを知ることができたような気がすると同時に、

歴史の理不尽な一面を目の当たりにして、とても悲しい気持ちになりました。

ただ、ドラローシュがこのように真実を絵に託したことで、

ジェーングレイは後世の人間にその身の潔白を知らせることができたような気がします。


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